労働条件明示のルール変更 ~令和6年4月1日~
- MSL社会保険労務士事務所 代表 綱島 渉
- 2024年3月14日
- 読了時間: 3分
更新日:2 日前

2024年4月1日より、労働基準法施行規則の改正に伴い、労働条件通知書の明示ルールが変更されました。この改正は、労働者と使用者間の認識のズレを防ぎ、労働条件に関するトラブルを未然に防止することを目的としています。以下に、改正の概要と企業が取るべき対応策について解説します。
📌 目次
1. 改正の背景と目的
2. 改正の概要
3. 企業が取るべき対応策
4. まとめ
📝 1. 改正の背景と目的
近年、労働者の多様な働き方が進む中で、労働条件に関するトラブルが増加しています。特に、有期契約労働者の無期転換に関するトラブルや、就業場所・業務内容の変更に関する認識のズレが問題となっていました。これらの課題を解決するため、労働条件明示のルールが見直されました。
🧾 2. 改正の概要
2024年4月1日以降に締結される労働契約において、以下の事項の明示が義務付けられました。
📍 2.1 就業場所・業務の変更の範囲の明示(全ての労働者対象)
従来の「就業場所」や「業務の内容」に加え、将来的な変更の範囲についても明示する必要があります。例えば、「雇入れ直後の就業場所:東京本社、変更の範囲:全国の事業所」などと記載します。
🔁 2.2 更新上限の明示(有期契約労働者対象)
有期労働契約を締結・更新する際、通算契約期間や更新回数の上限の有無とその内容を明示する必要があります。また、更新上限を新たに設ける場合や短縮する場合は、その理由を事前に説明することが求められます。
🔄 2.3 無期転換申込機会の明示(有期契約労働者対象)
有期労働契約が通算5年を超える場合、労働者は無期転換を申し込むことができます。この無期転換申込機会について、契約更新のタイミングごとに明示する必要があります。
📄 2.4 無期転換後の労働条件の明示(有期契約労働者対象)
無期転換後の労働条件についても、契約更新のタイミングごとに明示する必要があります。また、正社員等との均衡を考慮した事項について、説明するよう努めることが求められます。
🏢 3. 企業が取るべき対応策
📝 3.1 労働条件通知書・雇用契約書の見直し
改正内容を反映した労働条件通知書や雇用契約書のひな形を作成・更新しましょう。厚生労働省が提供するモデル様式を参考にすることができます。
🏛️ 3.2 社内ルールの整備
就業規則や人事制度を見直し、改正内容に対応した社内ルールを整備しましょう。特に、就業場所や業務内容の変更に関する規定を明確にすることが重要です。
📣 3.3 従業員への周知・教育
改正内容について、従業員への周知や教育を行い、労働条件に関する理解を深めてもらいましょう。特に、人事・労務担当者への研修を実施することが効果的です。
✅ 4. まとめ
2024年4月の労働条件明示ルールの改正は、労働者と使用者間の認識のズレを防ぎ、労働条件に関するトラブルを未然に防止することを目的としています。企業は、労働条件通知書や雇用契約書の見直し、社内ルールの整備、従業員への周知・教育など、適切な対応を行うことが求められます。これにより、健全な労働環境の構築と労使関係の円滑化が期待されます。
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